宇宙芸術シンポジウム

宇宙視点を持ち続けたい

by zen posted at 2009-01-26 02:11 AM last modified 2009-01-26 02:11 AM

去る1月17日の土曜日、有明にあるパナソニックセンターで行われた「宇宙芸術シンポジウム」に参加してきました。大変興味深く、かつ刺激になる内容でした。
はじめはJAXAの松尾尚子さんがヒューストンのジョンソン宇宙センターから、JAXAの人文科学分野への取り組みを紹介されました。宇宙ステーション「きぼう」の中で、芸術に関連する実験が行われているなんて、全く知りませんでした。 「文化人文社会科学利用パイロットミッション」というのだそうです。
続いて、アーティストの森脇裕之さんは、宇宙とのかかわりを意識した作品を残したさまざまなアーティストを紹介してくださいました。20世紀の美術史とからめたお話は大変ためになり、面白かったです。
最後に、アクシスの宮崎光弘さんが宇宙デザインというテーマでお話されました。
この日は冒頭のころから、人が宇宙に行くと起きる意識変容がどう作品に影響を及ぼすのか、あるいはそのような変容を作品が感じさせることができるのか、が宇宙芸術の大きなテーマになるのでは、と考えはじめていました。
宮崎さんのお話の中で「地球、母なる星」という写真集に掲載されている、宇宙から地球を眺めた宇宙飛行士の言葉がいくつか紹介されましたが、どれもとても感動的で、まさに「宇宙空間に放り込まれることで起きる意識変容」を感じさせるものでした。
その変容とは何か。これを私なりの言葉で書くと、個人中心だった世界観が、なによりもまず自分が地球の一員であり、国籍など関係なく誰もがつながっているという世界観に変容する、ということになります。宇宙意識の獲得とでも言えばよいでしょうか。
宇宙空間に出ることができるのはほんのわずかな数の宇宙飛行士だけで、それ以外の私たちは頭のなかで想像することしかできません。地球上に重力でしばりつけられて、地球の外の視点など頭の片隅にさえない私たちに、宇宙から地球を見る視点を思い出させてくれたり、気づかせてくれることが「宇宙芸術」や「宇宙デザイン」の役割になるのではないだろうか。そう思いました。擬似的にでも、作品を通じて宇宙意識の獲得につながる体験ができるとすれば、すばらしいことだと思います。
宮崎さんのお話の中でチャールズ・イームズの"Powers of Ten"という70年代の映像作品が紹介されましたが、これもとても良かったです。その中で、銀河の彼方までズームアウトしたあとで人体の中に分子レベルになるまでズームインし「これが全宇宙に共通の法則だ」というナレーションがありました。まさにこのような視点こそが「宇宙視点」だと思います。
このシンポジウムに参加して強く感じたことは、私は地球人であるということ、また地球は偶然が積み重なって誕生した宇宙の中でも特異な存在であり、おそらくは生命が存在する唯一の惑星であろうということです。月並みな言い方ですが、私たち地球人が生きていること自体が奇跡なのではないか、ということを思いました。
日々の生活に追われていると、自分の足下ばかりを見るようになってしまいがちなのですが、バックミンスター・フラーの言う宇宙船地球号の乗員である自分も、こんな大きな視点を持ち続けたいと思います。

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